白銀の翼~白銀の彫刻と金の瞳の乙女~
「あぁ、くそ~珍しく叫び出

したと思えば縄作りの命令か

よ」

茜色の空のせいで紅く染まっ

た二人を見ながらリセラはあ

ることを思いついた。

「ねぇ…こんな時にじっとし

てるのも勿体無いわよね」

「あぁだって大物だぞ?滅多

にお目にかかれるもんじゃ

ねぇしな」

「だったらサボりましょう」

その言葉にタランは不適に頬

を膨らませた。

「そんなのわかってるつもり

だ」

「でもなんで王宮の長宮なん

かがここに来るんだろう…こ

こには寄せ集めの奴隷達しか

いないのに」

“寄せ集め。”リセラはその

言葉が嫌いだった。なんか自

分達の存在を否定しているよ

うで。

「王宮の奴らの都合だろ。俺
達だってそうだ」

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