白銀の翼~白銀の彫刻と金の瞳の乙女~
「なんだよ、せっかく寝てた

のに…」

ふぁぁと大あくびをしながら

タランは蹴られた足を擦った

。憂い帯びた瞳がロワの方に

向いた。

「ロワどうした?顔真っ赤だ

ぞ」

「あ、いいのいいのあはは。

それよりもうすぐ時間じゃな

い?長宮さん来るの」

さりげなくロワが話題を反ら

しつつリセラは言葉を投げつ

けた。

「太陽が真上に登った時くる

…って誰かさん言ってたよね」

「そうだっけ?」

そう言った張本人は目の前で

しばっくれている。

「た―ラーンー」

「はいはいすんません」

「もういいよ。私が見てくる

。どこから来るの?」

立ち上がりながら言うリセラ

にタランは腰を浮かした。

「俺も一緒に行く」

勢いよく立ち上がったはいい

が丁度そこは太い針が突き出

ているところでごつんと鈍い

声と共にうめき声を上げなが

らタランはしゃがみこんだ。

「あわわわ…タラン平気?」

傍らのロワが慌てて近寄る。

「ううう…いたい…」

涙声のタランをロワに任せ、

リセラは外へ出た。その時、

タランの頭に触れているロワ

の姿にチクリと胸が
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