白銀の翼~白銀の彫刻と金の瞳の乙女~
白銀の髪を泥だらけにしてあ

くびをしているタランは、ど

の方向から見ても村一番の美

少年とは…いいがたい。

「ふぁ…今はいつ?」

「…ロワ…物好きねあなた何

処がいいの?」

まだ意識がおぼろげなのだろ


うか。タランはぼーとしなが

ら頭を掻いた。

その傍らにうつむきがちなロ

ワが座っている。その顔はタ

コの様に真っ赤だった。不思

議とリセラはその事が嬉しか

った。けれど哀れでもあった

。恋をするのはいい。それが

親友ならなおさら喜べる。け

れど…この国の人間どもは奴

達を物として認識していない


「まあ…いいか、ほらロワ顔

あげて、タランあんたはさっ

さと起きろ!」

再び蹴りを入れる。今度はち

ゃんと目が覚めたらしく青い

目が見開く。
< 27 / 28 >

この作品をシェア

pagetop