あの気持ちをもう一度



「当たり前!」

どこが当たり前だ?
綾瀬も不思議そうにしてるだろ。
気づけよ!


「綾瀬、彼女別に怖くないから安心して?」
今にも泣き出しそうになっている綾瀬にそう言って頭を撫でた。


「うん」
少し赤くなった。
可愛いなぁとか思っていると瞬矢に軽く蹴られた。


「てめぇ人の女に手だすなよ!」


「頭撫でただけだろ。うるせぇよ」


嫉妬深いヤツ。
初めて知ったわ!


「ねぇ、またバイクで行くの?」
綾瀬が泣きそうになっている。
こいつらバイクできたのか。


「当たり前だろ?」
綾瀬の表情が曇っていく。


「やだぁ!!」
首を横に振る綾瀬に瞬矢は笑っていた。


「置いてくぞ」
先にバイクに乗った俺はエンジンをかけて2人を待つ。


「ほら、早くしろよ」
その言葉に綾瀬がちらっとこっちを見た。
俺が待ってるのを気にしているんだろう。



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