雪・時々晴れ
坂井さんの住んでいる会社の寮は私の家からだと細い路地を抜けたほんの3分くらいの場所にあった。
〔ピンポーン〕
〔ガチャ〕
「こんばんは…」
「ビックリした!何?」
お風呂からお湯を溜めている音が聞こえて来た。
「あ、これ、今日のお礼に炊き込みご飯持ってきたから、良かったら食べて下さい」
「え、そうなの?ありがと…」
「お風呂、入るんですよね?じゃあ…帰ります」
「あぁ、いいよまだ。せっかく来たんだし上がれば?」
「お風呂冷めちゃいますよ?」
「俺、熱いの溜めるから大丈夫だよ」
玄関からすぐの、少し開いたお風呂場のドアからは湯気が出ていて本当に熱そうだった。
「じゃあ少しだけ…お邪魔します」
部屋へ入ると坂井さんの匂いがした。
男っぽい匂いだった。香水か芳香剤の香りと混ざっていて良い匂いと感じた。
「コーヒー飲めたよね?」
「あっ…はい」
坂井さんがコーヒーを入れる姿を見ながら、とんでもない事している自分に戸惑っていた。
「佐伯さん、タバコ吸うの?」
「知っていましたか…」
「知らないけど、俺吸わないから灰皿ないよ」
「なんだ!知らなかったんですか…タバコ吸う女性って嫌いですか?」
「別に嫌いじゃないけど、わざわざ体悪くしなくてもいいとは思うけどね」
「ですよね~あはは」
コーヒーが出てきて、砂糖とミルクを入れて一口飲んで、少しの無言の後に私の口から出た言葉は、坂井さんへの告白だった。
「私、坂井さんのことが好きなんです」
「えっそうなの?彼氏いるじゃん!」
「もう別れました。この前…」
「へぇー俺の事好きになったから?」
黙ってうなずく私に、坂井さんは困った様な嬉しい様な微笑みを見せた。
〔ピンポーン〕
〔ガチャ〕
「こんばんは…」
「ビックリした!何?」
お風呂からお湯を溜めている音が聞こえて来た。
「あ、これ、今日のお礼に炊き込みご飯持ってきたから、良かったら食べて下さい」
「え、そうなの?ありがと…」
「お風呂、入るんですよね?じゃあ…帰ります」
「あぁ、いいよまだ。せっかく来たんだし上がれば?」
「お風呂冷めちゃいますよ?」
「俺、熱いの溜めるから大丈夫だよ」
玄関からすぐの、少し開いたお風呂場のドアからは湯気が出ていて本当に熱そうだった。
「じゃあ少しだけ…お邪魔します」
部屋へ入ると坂井さんの匂いがした。
男っぽい匂いだった。香水か芳香剤の香りと混ざっていて良い匂いと感じた。
「コーヒー飲めたよね?」
「あっ…はい」
坂井さんがコーヒーを入れる姿を見ながら、とんでもない事している自分に戸惑っていた。
「佐伯さん、タバコ吸うの?」
「知っていましたか…」
「知らないけど、俺吸わないから灰皿ないよ」
「なんだ!知らなかったんですか…タバコ吸う女性って嫌いですか?」
「別に嫌いじゃないけど、わざわざ体悪くしなくてもいいとは思うけどね」
「ですよね~あはは」
コーヒーが出てきて、砂糖とミルクを入れて一口飲んで、少しの無言の後に私の口から出た言葉は、坂井さんへの告白だった。
「私、坂井さんのことが好きなんです」
「えっそうなの?彼氏いるじゃん!」
「もう別れました。この前…」
「へぇー俺の事好きになったから?」
黙ってうなずく私に、坂井さんは困った様な嬉しい様な微笑みを見せた。