雪・時々晴れ
小田真彦という男
デザイン室とメンテナンス部は隣接していた。
メンテナンス部の奥には倉庫が有って店舗で使うゲームや部品が並べられていた。


デザインで資料にするゲームを見学しに行った時、小田君と菅原君が居た。


長谷部さんのハイラックスサーフの話を思い出して声を掛けてみた。


「私、クリスマスなんの予定もないんだよね~寂し過ぎるでしょ?」


「へぇー彼氏は?」


「いないけど」


「あれ?親睦会の時…薬指に指輪してたから居ると思ってた」


「あーあの時は居たけど」


(って薬指とか見てるし!)


ドキドキした。


「あ、じゃ今ヒマ?」


「ヒマじゃないけど仕事中だから」


「ここで何してるん?」


「見学」


「ちょっと手伝ってよ。このリストに載ってる部品全部探すの」


「あれ?見学は無視?」


「いいから早く!」


(上司か。)


と言いかけたがやめた。


大量の部品が並んでいる棚から急いで探した。


(早く戻らな浜田チーフにサボってると思われるやん!)


やっと全部見つけて小田君のところへ持っていった。


「あんがと。じゃクリスマスはサンタさんが何かおごってやってもいいんだよ。なっ菅原!」


「そ~なん!?菅原君がサンタさん?」


菅原君は照れ笑いをしていた。


「いや、俺もだって」


「じゃあ長谷部さんも誘っていい?」


「いいよ。じゃあ25日に仕事終ってから4人で行くか!」


「うん!」

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