雪・時々晴れ
イヴでは無い事に何の疑問も持たなかった。
彼女が居たっておかしくない二人であるのだから。


逆に誘いに乗ってきたことにドキドキしていた。


とにかく私は小田君と友達になりたかった。


デザイン室でもクリスマスの話題になっていたがなるべく関わらないようにしていた。


私の見学が長かったことなど誰も気にしてはいなかった。


坂井さんは浜田チーフとマユちゃんと話しながらチラっと私を見たが、さすがに「佐伯さんの予定は?」とは聞かないで居てくれた。


マユちゃんはクリスマスの予定を聞かれていたが何故か謎めかした。


「浜田さんはどーせ一人ぼっちなんでしょ?」


坂井さんの毒舌にこの時ばかりはカチンと来た。しかし、そう言われても何だか楽しそうな浜田チーフの様子にほっとした。と同時に(坂井さんなんかあかんって)とまた思った。


一人で淡々と仕事をしながらクリスマスの事で頭がいっぱいになっていた。


長谷部さんの喜ぶ顔が目に浮かんだ。


ハイラックスサーフで連れて行ってくれるかは解らなかったので当日の作戦を考えていた。


あれこれ考えたがダイレクトに
《ハイラックスサーフにのってみたいな~》
って言うのが一番いいと結論付けた。


事業所に戻って長谷部さんにクリスマスのことを耳打ちしたら案の定大喜びするものだから人気の少ない場所で伝えて正解だと胸を撫で下ろした。




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