サクラ誘惑




「あれ、熱でもあるの?顔が赤いけど」


その言葉に、バッと顔を覆う。


「大丈夫…です」


出来るだけ大きな声で言ったつもりだが、口から出てきたその言葉はとても小さくて。


すると、そうかそうかーとまたもやはははと笑うイケメン教師。


絶対この人、私のことからかってる。


「で、高校はどこだ?」


そう平然と言うから、少しむかついて、


「こっち」


そう無愛想に言って、歩き始める。


もちろん男の人もついて来た。


「にしても、その髪色すげぇなあ」




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