時を分かつ
「ここは?」

かな子が目を覚ます。


「病院?」

ベッドの横に置いてある椅子に手紙。

『起きたら起こせ』

隣のベッドを見ると、

「コウダイ!?」

私服のまま寝ている。

「コウダイのことだから勝手に使ったのかな?」

かな子は微笑む。

「まだ、朝の6時か。」


天井を眺める。

「私、どうやって助かったのかな?

コウダイはどうやって助けてくれたの?」

寝ているコウダイに話しかける。


「知りたいか?」

いつの間にか男がいた。

「誰?」

「幸大。」

「え?」

「こいつとはまったく関係ない。

常盤の…」

幸大は辺りを確認する。

「誰もいない、か。

俺は、常盤の彼氏、だ。」

「常盤?」

「お前を過去につれてった女だ。」

「そっか、私、名前を聞きそびれたんだった。」

「まぁ、あいつも俺も、神だからな。

もう、会うこともないかもな。」

「神様、なんだよね。

お願い、叶えてくれてありがとうございました。」


「は?

笑わせんな。

願いは叶うだとか、神様がお願いを聞くだとか、


ざけんな。

誰がんなこと言ったんだ?

お前は直接聞いたのか?

違うだろ?

神は誰もそんなことは言ってねぇんだよ!」

幸大が怒鳴る。
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