時を分かつ
「…悪い。

だがな、神様なんてのは化け物に近いんだ。

人間でも動物でもない。


願いが叶うのも、奇跡を起こせるのも、

それを信じて頑張った奴がいるんだよ。」

「…。」

「今回も、な。


見せてやるよ。

ファンタスティックな奇跡を起こせる奴の奮闘劇を。」



かな子の視界が光に包まれた。


「お前は今から観客だ。

見ることしかできない。

さぁ、ファンタスティックなストリートを始めよう。」




常盤さんが消えたところから話は始まった。


「さて、どうすっかな。」

コウダイはいつものように、やる気半分と言った態度だった。


「ここが、現場。

…。

大学は反対方向だし、時間もまだ、早いからな。」


コウダイは私の家の方向に歩きだした。

「小走り、か?」

そう。私は小走りで家から出ていった。


「このくらいだな。」

コウダイは早歩きをする。

私は歩幅が小さいから。そして、コウダイは歩くのが早いから、だからコウダイの早歩きは私の小走りに相当する。


「20分か。

かな子がそんなにずっと走れないから30分、いや25分か。」


コウダイは事故の起きた大体の時間を測ったみたいだった。
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