きみのうた
「倉井君っ!ちょっと!」
「離せよ、てめえ」
倉井君を学校の外でやっと捕まえる。
「っ」
その迫力にちょっと怯んでしまった。
「・・絶対離さないよ。学校行こうよ」
「御人好しだな、笹野は。俺があの教室に戻ってみ?憐みの目で見られるだけだろ」
そりゃ・・そうだろうけど・・・。
つい倉井君を掴んでる腕に力を込めてしまう。
「・・いてえよ。力、入れすぎだし」
「あっ、ごめんっ!」
パッと手を放す。
「・・公園行かねえ?」
近くの公園を指差す。
「え、いいけど・・・」
「じゃあ行くぞ」
スタスタと歩き出す倉井君。
良かった・・・。
ちょっとは元気出たのかな・・・?
ほっとして、倉井君を追いかける。
小さなベンチに腰を降ろして、話してくれた。
本当の真実を・・・。