黒き藥師と久遠の花【完】
いずみが頬を赤くして、恥ずかしそうに頬を掻く。
髪や目の色が変わっても、幼い頃に見ていた姉の中身は変わっていない。
それが嬉しくて、みなもの口端が上がる。
(そういえば、姉さんは昔からしっかりしているように見えて、意外とそそっかしいところがあったな)
みなもは懐に手を持っていくと、仕舞っていた手紙を取り出す。
きっと優しい心根も、人を気遣う優しさも変わっていないだろう。
だから、これを渡せば自分の願いが伝わると思いたかった。
「姉さん、お願いがあるんだ。この手紙をイヴァン様にお渡しして欲しいんだ
わざわざ俺と話すためにここへいらっしゃったから、そのお礼を伝えたくて」
まずは一通だけ差し出すと、いずみは「分かったわ」と両手で丁寧に受け取る。
そして、みなもの手に残ったもう一通の手紙を、いずみは指さした。
「そっちの手紙は誰に渡せばいいのかしら?」
「これは姉さんへの手紙だよ。こうして顔を合わせると嬉しくて、話したいことが頭から抜けちゃうんだ。だから手紙に書いてきたんだよ」
いずみの目に優しい色が宿り、少し瞳を潤ませる。
「そうなの……今、読んでもいい?」
「うん。そのつもりで持って来たんだ」
同じように目を潤ませながら、みなもはもう一通の手紙と、服のポケットから取り出した銀の紙切りナイフを差し出す。
それらを受け取ると、いずみはしばらく眺めてから封を開けた。
いずみの目が手紙の字を追っていく。
最初の一枚は、嬉しそうに目を細めて読んでいた。
しかし二枚目を読み始めた途端、いずみの顔から笑みが消えていった。
読み終えた後、いずみは頭を上げる。
その顔は血の気が引き、肌の白さが増していた。
髪や目の色が変わっても、幼い頃に見ていた姉の中身は変わっていない。
それが嬉しくて、みなもの口端が上がる。
(そういえば、姉さんは昔からしっかりしているように見えて、意外とそそっかしいところがあったな)
みなもは懐に手を持っていくと、仕舞っていた手紙を取り出す。
きっと優しい心根も、人を気遣う優しさも変わっていないだろう。
だから、これを渡せば自分の願いが伝わると思いたかった。
「姉さん、お願いがあるんだ。この手紙をイヴァン様にお渡しして欲しいんだ
わざわざ俺と話すためにここへいらっしゃったから、そのお礼を伝えたくて」
まずは一通だけ差し出すと、いずみは「分かったわ」と両手で丁寧に受け取る。
そして、みなもの手に残ったもう一通の手紙を、いずみは指さした。
「そっちの手紙は誰に渡せばいいのかしら?」
「これは姉さんへの手紙だよ。こうして顔を合わせると嬉しくて、話したいことが頭から抜けちゃうんだ。だから手紙に書いてきたんだよ」
いずみの目に優しい色が宿り、少し瞳を潤ませる。
「そうなの……今、読んでもいい?」
「うん。そのつもりで持って来たんだ」
同じように目を潤ませながら、みなもはもう一通の手紙と、服のポケットから取り出した銀の紙切りナイフを差し出す。
それらを受け取ると、いずみはしばらく眺めてから封を開けた。
いずみの目が手紙の字を追っていく。
最初の一枚は、嬉しそうに目を細めて読んでいた。
しかし二枚目を読み始めた途端、いずみの顔から笑みが消えていった。
読み終えた後、いずみは頭を上げる。
その顔は血の気が引き、肌の白さが増していた。