こんなに好きなのにっ!!
『好き?』



そう聞かれるとはぐらかそうと必死になる俺がいるから…。



その問いに答えたことはない。



琴里もわかってるんだと思うけど…。



好きになれたら楽なのに…。



風都が出て行った夕方、バイトが終わった琴里から電話が来た。



「なにしてたの?」

「親いねぇからメシなくて。コンビニ行こうかと思ってたとこ~」

「買ってってあげる?なーんて…」

「会おっか」

「えっ!?今…から?」

「うち来る?誰もいねぇけど」



喜んで聞こえてきた返事は表情まで見えるようだった。



やっぱりカワイイじゃん…。



近くのコンビニで待ち合わせて。



やってきた琴里は本当に嬉しそうだった。



「何時に帰る?」

「何時でも!!うち、放任だしね」

「じゃあめんどくせぇから泊まる?」

「いい…の?いいの!?」

「ん」

「悠都君と一緒にいれる~!!」



ほら、カワイイじゃねぇか。



溶けちゃいそうなくらいの笑顔。



琴里はカワイイんだ。



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