ただ好きなだけ




―次の日



「あ、おはようございます喜多先生」

「おはようございます、河野先生」



河野先生は俺の隣の席の女の人だ

科目は国語

俺より、1つ年上

美人だから、男子生徒から人気がある



「なんか……、喜多先生やつれてないですか?」

「いや……、ちょっと色々ありまして…」

「もしかして、恋の悩み?」

ギクッ!!

「そ、そんなんじゃ……」

「ふふっ……
嘘つくの下手なのね」

「はははっ……」



バレバレなのね……



「もし……」

「え?」

「もし、好きな人に告白されたけど、ある理由で付き合えないとしたら、どうしますか?」

「んー……
私だったら、付き合うな」

「え?
でも……」

「ただ好きだから付き合う
どんな理由があろうとも、私なら離さない……かな」



ただ好きだから……付き合うか…



「で、相手は誰?
喜多先生のクラスの子?」




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