夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story
「それがどうかしたか?」


聞いても、健吾は以前として固まっている。


「んな驚くことかいな。てか、今頃気付いたのか、ハゲ」


帰って来ねーなあ、とあたしは窓の外に視線を飛ばした。


外は真っ暗だった。


黒い窓ガラスに待ちくたびれ顔のあたしと、


「……やっぱお前、ちょっと違うな。他の女と」


まだ少しおどけた顔であたしを見つめる健吾が、はっきり映っていた。


「どういう意味だ」


キッと睨むと、健吾がククッと声を漏らした。


「いや、普通、女の子ってさ。えーっ、違うしー! とか。とりあえず否定しねえ? 顔、赤くしちゃったりしてさ」


バカめ。


「健吾。お前、ドラマの見過ぎじゃねーのか?」


「は?」


「女がみんなそんなんだと思うなよ。ベタなんだよ」


はーだり、と足を組むあたしを、健吾は笑い飛ばした。


「翠、お前、かっこいいな! 超男前じゃねえか」


「ああ?」


健吾が明石家さんまみたいに両手を叩いて、ヒイヒイ引き笑いした。


「お前、めちゃくちゃ真っ直ぐなんだな!」


「笑ってんじゃねえよ! ツルッパゲ」


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