夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story
12月に入ったら、すぐ。


北海道の、稚内っていうすごーく寒いところに。


隠してたわけじゃないんだけど、言いにくくて。


南高が大好きだから、みんなが大好きだから。


言い出せなくて。


そう言って、あっこは涙をぐいっと拭った。


結衣と明里が立ち尽くす横で、あたしは愕然としていた。


やっぱり、ショックだった。


仕方ないことなのかもしれないけど、ショックだった。


「あと1ヶ月しかみんなと居られないんだ。だけど、今まで通りに仲良くしてね」


じゃないと、ますます悲しくなるよ。


そう言って、あっこはキュートに微笑んだ。


その沈黙を押し上げたのは、明里だった。


「そのこと、健吾には言ったのか?」


びっくりした。


まさか、明里が、あっこの気持ちに気付いていたとは。


これっぽっちも思っていなかったから。


「バカだな。あっこの態度見りゃ、誰でも分かるだろ」


「えっ」


とびっくりした顔をしたあと、あっこは苦笑いをして首を振った。


「言ってない」


「なんで言わないんだよ」


好きなんだべ、と今度は結衣が当たり前のように突っ込んだ。



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