夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story
「学級委員長がいねーとホームルーム始まんねえよ」


明里が笑うと、結衣も笑う。


「終わりもしねーし」


「ごめんごめん!」


顔を上げて微笑んだあっこを見たとたんに、結衣と明里の顔から一瞬にして笑いが消えた。


泣いた形跡がはっきり残る、あっこの真っ赤な目。


「どうした! あっこ。何で泣いてんだ」


とふたりはあっこに詰め寄る。


「誰かにいじめられたか?」


とあっこの右手を掴む明里も、


「誰だそいつは。うちらがぶちのめしてやる!」


と左手を握った結衣も。


そこらのヤンキーより口は悪いが、人情に熱くて、根っから友達想いの女だ。


あっこはぷはっと吹き出して、


「やだ……もう。本当にいや」


とまた泣き出してしまった。


廊下を数人の生徒がパタパタ駆け抜けて行った。


「こんなに楽しくて優しくて、強くて。正義の味方みたいな友達は、もうできないかもしれない」


ぽろぽろ、ぽろぽろ、あっこの頬を涙が伝う。


「私ね、転校するんだ」


急激に、鼓動が加速した。


「お父さんの仕事の都合でね。北海道に。先月、急に決まったの」




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