夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story
「うわ、本降りになってきた。こりゃ、今日の練習外は無理だな」


雪空を見上げながら、補欠が肩を落とす。


窓の外にため息が漏れ出して、白く煙った。


あたしは補欠の横顔を見つめた。


補欠。


あたしたちは、この先もずっと、一緒に居られる?


出逢って、7ヶ月。


付き合って、もうすぐ2ヶ月。


それなのに、もうこんな不安を両手いっぱいに抱きしめているあたしは、愚か者だろうか。


「くっそー。今日は俄然やる気なのになあ」


止め、止め、と降りしきる初雪を、補欠は優しい目をして睨み付ける。


補欠。


もし、今日、この街を出なければならなかった人間が、あっこじゃなくてあたしだったら。


補欠はどうしてた?


それでも、一緒に甲子園に行こうって言ってくれてた?


それとも、距離には勝てないって、割り切った?


なんで、こんなに不安なのか自分でも良く分からなかった。


これも、何かの症状だったのかもしれない。


補欠。


あたし、なんでこんなにお前に惚れてしまったんだろうな。


だから、怖くなる。


あたしたちに、別れってのはやってくるのか?


そんな日が来たら、あたしはどうすればいい?


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