夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story
ケーキ屋さんでチョコレートケーキを購入し、補欠の家に向かった。
門扉を開けて入って行った補欠がインターフォンを押したけれど、いつもある反応がない。
「あれ? 出かけてんのかな」
補欠が鍵を開けて、あたしを招き入れる。
「とりあえず、入って」
「おっじゃまー!」
やっぱり、洋子の姿はなかった。
本当に出かけているらしい。
「なあーんだ。せっかくケーキ買ってきたのにさー!」
リビングのテーブルに箱を置いて頬を膨らませると、補欠がキッチンに入って行った。
「どうせ夕方のタイムセールに行ったんだろ。他に行くとこなんかねえし。すぐ帰ってくるよ」
「まじー? ほんとにすぐ帰ってくる?」
「来るって。ケーキは後ででいいよな? 今飲み物持ってくから、先に部屋に行ってて」
食器棚からグラスをふたつ取り、補欠が冷蔵庫に向かう。
「洋子ー!」
「だから、居ないって」
「ちぇっ! じゃ、行ってるかんね」
「おー」
洋子に会いたかった。
ものすごーく。
翠ちゃん! て笑う洋子が見たかった。
補欠の部屋のドアを開けると、
「……うわっ」
まるで突風のような風に正面からあおられた。
バタバタと、大海原に出て海風に立ち向かう船の帆のように、カーテンが膨らんでいた。
補欠の部屋は相変わらずきれいに整頓されていて、どこか殺風景で。
ベッドの横に置かれた、スポーツバッグ。
窓辺に置かれたグローブとふたつのボール。
本棚をピシリと埋め尽くす、ベースボールマガジン。
門扉を開けて入って行った補欠がインターフォンを押したけれど、いつもある反応がない。
「あれ? 出かけてんのかな」
補欠が鍵を開けて、あたしを招き入れる。
「とりあえず、入って」
「おっじゃまー!」
やっぱり、洋子の姿はなかった。
本当に出かけているらしい。
「なあーんだ。せっかくケーキ買ってきたのにさー!」
リビングのテーブルに箱を置いて頬を膨らませると、補欠がキッチンに入って行った。
「どうせ夕方のタイムセールに行ったんだろ。他に行くとこなんかねえし。すぐ帰ってくるよ」
「まじー? ほんとにすぐ帰ってくる?」
「来るって。ケーキは後ででいいよな? 今飲み物持ってくから、先に部屋に行ってて」
食器棚からグラスをふたつ取り、補欠が冷蔵庫に向かう。
「洋子ー!」
「だから、居ないって」
「ちぇっ! じゃ、行ってるかんね」
「おー」
洋子に会いたかった。
ものすごーく。
翠ちゃん! て笑う洋子が見たかった。
補欠の部屋のドアを開けると、
「……うわっ」
まるで突風のような風に正面からあおられた。
バタバタと、大海原に出て海風に立ち向かう船の帆のように、カーテンが膨らんでいた。
補欠の部屋は相変わらずきれいに整頓されていて、どこか殺風景で。
ベッドの横に置かれた、スポーツバッグ。
窓辺に置かれたグローブとふたつのボール。
本棚をピシリと埋め尽くす、ベースボールマガジン。