原石のシンデレラ
「だ…大丈夫ですか?…」

とりあえず、声をかけてみる。


「………」
ーー応答なし。


「…あの!!…」

傍に近寄って、男性の首筋に自分の指を添えた。

ーーもし生きてるなら、脈打つはず…。


《…ドクン…ドクン…》

ーーホッ…良かった、この人生きてる。


安堵したものの、どうすれば良いのか困り果てた。


……このまま放置して、この人の身体に異変が起きたら、どうしよう。


ーーやっぱり、救急車呼んだ方が良いよね。


そう思い軽く頷くと、私はポケットから携帯電話を取り出した。



「ーーーうっ…」

男性が呻き声を上げて、うっすらと目を開け始めた。

「……君…は?」

男性は上半身を起こすと、青白い顔をしたまま頭を抑えている。


「……良かった、このまま意識が戻らなかったら、救急車を呼ぼうと思ってた所でした。」


「…………」

ジッと見つめる男性の瞳が、とても綺麗で引き込まれそうになった。


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