原石のシンデレラ
ブロンドの少女現る
……僕は肩を落として方向転換すると、金髪の少女…エリーゼと目が合った。


「……エリーゼ…」


エリーゼの両親と僕の両親とは大の仲良しで、そのせいもあってか、僕もエリーゼ家族とは親しい間柄なのである。


エリーゼは、僕に恋心を抱いているようで、いつも告白や結婚のプロポーズまでされているが、そのような感情は一切抱いたことがない。

幼い頃から当たり前に、家族のように居るエリーゼを…幼なじみを今更変えることなど出来ない。


「久しぶりね、ロイ…」
エリーゼは微笑んで見つめる。


エリーゼの僕を見る目は、いつも好きだと訴えているようで…逆に何だが真っ直ぐに見れずにいる。


……だから、僕はすぐに目を逸らすか、伏せる。


ーー雪詩の目は真っ直ぐ見れるのに。



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