お化け屋敷の住人
「学費の心配をしていたみたいで、それは俺が出すから心配ないと伝えるとやっぱり短大に通いたいと言う事だったので書き直させました」
「あー、そうでしたか」
わたしは隣を見ながら口がぽかーんと開いてしまった。
わたしの隣に座っているこの男は誰だろう?
こんなに流暢に言葉を並べるこの男は誰だろう?
…真の皮を被った違う人に違いない。
そんなくだらないことを考えている間にも真と担任の会話は進んでいく。
「失礼ですが、お仕事は何を?」
「まだ始めたばかりなんですが、電気機器の会社で社長秘書の見習いをしています」
社長秘書⁈
なにそれ。社長秘書ってそんな簡単になれるもんなの?
「務めたばかりで社長秘書ですか?」
どうやら担任もわたしと同じとこを考えたみたいだ。
「親の会社なので、将来的には社長を継がせるための研修期間のようなものです」
「社長ですか⁈」
「はい」
本当にこの人は誰なんだろう。
真…だよね?
真のいつもと違う話し方も、話の内容も、知らない人が話をしているみたいだ。
こんな真をわたしは知らない。

