お化け屋敷の住人


夕飯は毎日真の買ってきてくれたお弁当になった。

いくら頑張っても玉子焼きすらまともに作れなくて、わたしに料理は無理だって諦めた。


それを見ていた真も、何も言わずお弁当を買ってきてくれる。

そんなところも迷惑かけてる。


なのに“学校”?

学校に通うのだってタダじゃない。

そんなお金はどうするの。

もちろん真に出してもらう義理はない。



「ここからすぐの高校だ。5月から通えよ」


わたしが居間に入ってちゃぶ台の前に座ると、真はしれっとお弁当をつつきながらそう言った。


< 95 / 134 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop