お化け屋敷の住人
わたしはおばあちゃんを思って泣いた。
おばあちゃんの事だったらいくらでも泣ける気がした。
「俺はな?」
真はそう言いながらわたしにティッシュを差し出しす。
その声は若干優しくなった。
わたしは真からティッシュを受け取り、それを目頭に押し付ける。
「もうこの家に住むようになって3年になる。だから知ってた」
――そんなに真とおばあちゃんがここで過ごした時間は長いんだ。
だから数日間しか一緒にいないわたしなんかよりもずっと、真とおばあちゃんとの絆は深いんだ。
わたしには病気の事も教えてくれない。
真も家にいてくれない。