スターフィッシュ‼︎

「特にベースの奴がイカしてたし、イカれてたわ。しかもバンドは超格好良いの。急いでCD全部探して聞いたわ」


「へぇ~(てか、王子がチン○とか言っちゃだめですよぉぉ)」


「そしたら、学校で起きてることなんか全部バカバカしく思えるようになって、

もともとじーちゃんや親父の影響で色々聞いてたけど、それをきっかけに、俺も音楽やバンドに本気でハマり始めた。

それからの俺が今の俺様だ」


「王子……」


「音楽に出会ってなかった頃の自分には戻りたくねーし。俺は前に進むしかないんだよ」


コーヒーを飲みほしながら、王子が最後にそうつぶやいた。


そうなんだ。

王子にもそんなことがあったんだ。


何だか胸がズキズキする。


でも思ったことはひとつ。


あたしは立ち上がった。


「あたしもっと頑張る! STARFISHをもっとすごいバンドにするために、必死で王子についていくよ!」

と、王子の方向を見て、あたしは力強く言った。


「はぁ……」


王子がため息をつきながら、横目であたしを見た。


あれ? 

あたし何か間違ったこと言っちゃったかな……。
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