スターフィッシュ‼︎

「アホか、お前は俺についていくんじゃなくて、全力でお前の歌を歌えばいいんだよ。

お前は俺様が認めた唯一のボーカリストだからな。今日レコやって、改めてそう思った」


「え……?」


「明日もあるしそろそろ寝るぞ」


王子はそう言って、固まっているあたしの頭を優しく撫でた後、

コテージの方向に戻っていった。


えええええ!?

ちょ、そんなこと今まで一言も言わなかったでしょ!


「王子待ってーーーー!」


流れ星が1つ。

満点の星空の中に見えた、気がした。


そして、バンド名と同じ曲、

『スターフィッシュ』を鼻歌で歌いながら、

あたしはその後姿を追いかけた。
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