スターフィッシュ‼︎
野外ステージでは、ダンス部がヒップホップ曲にのって踊っている。
「次のライブ、新宿なんですけど……」
「いきますっ。チケットありますか?」
「ありがとうございますーーー!」
1年生など、今まであたしたちをあまり知らなかった層からも、反響があった。
喜びを感じる反面、
カナタちゃんの姿がどこにもないことが、心のどこかにひっかかっていた。
「あ、あの……美緒さんと貴也様って付き合ってるんですか?」
貴ベイビーらしき女子2人組が、あたしに話しかけてきた。
「は!? んなわけないですよ!」
「良かったー。だってステージ上の2人、ラブラブそうでしたよ? 衣装も合ってましたし」
「目を合わせる様子も、何かエロかったです……」
えええええ!? そう見えてたの?
「いやいやいやいや! ここだけの話、王子、普段はスパルタなんですよー」
眉間にしわを寄せながら、あたしがそう言うと、2人組は安心したような顔になった。