スターフィッシュ‼︎
その後、ライブハウスの出口で
良夫さんと印刷したばかりのフライヤーを配る。
「あ、青春スターダム決勝出るんだ! 俺タンジェント60の応援で会場行くんで、楽しみにしてます!」
「STARFISH、あ、聞いたことある! 頑張ってね」
「「ありがとうございます!!」」
フライヤーをじっと読んでくれたり、応援の声をかけてもらえたりすると、純粋に嬉しかった。
もしこの先、どんなに売れて、どんなに大きい会場でライブをできたとしても、
この感謝の気持ちだけは絶対に忘れちゃだめだと思った。
「良夫さんは専門学校でどんなこと勉強するの?」
「僕は、エンジニア科志望です。レコーディングエンジニアの勉強ができるんです」
帰り道、お腹がすいたので、駅前のサイゼリアで良夫さんと夕飯を食べる。
最近、食欲が無いあたしはサラダだけを注文し、
レタスと小エビを同時にフォークで突っつきながら、良夫さんと話をしていた。
「へ~。それってカシワギさんみたいに機材やパソコンたくさん操るやつだよね? すごいね!」
「……いつか、僕がドラム兼エンジニアとして、STARFISHの音源を録りたいなぁって思ったんです」
「へ?」
「僕はSTARFISHが――4人で奏でる音が大好きですから」