スターフィッシュ‼︎
がやがやしている店内。
テーブルの間を踊る様に店員さんがせわしなく動き回っている。
あたしは、笑顔でそう言い切った良夫さんを見て、
少し涙が出そうになっていた。
「……良夫さん、STARFISHは最高のバンドだよね!」
「もちろんです!」
良夫さんはドリアを一口飲み込んでから、続ける。
「王子さん、ゆーたさん、美緒さんの3人を後ろから見守りながら、その奥にお客さんのたくさんの笑顔が見える。僕はあの景色をいつまでも見ていたいです。
……こんなに良いバンドでドラムを叩くことができて、僕は幸せ者です」
良夫さんは、汗か涙か分からないけど、
メガネをおでこに上げて、ハンカチで顔を拭いていた。