スターフィッシュ‼︎
高速のビートを刻む鼓動とともに、あたしの体は軽く震えていた。
でも、怖さ、ではなく、何か別の感情があたしに芽生えていた。
王子はもう片方の手で、あたしの頭をゆっくりと撫でた。
「……っ」
その感触に、くすぐったさを感じる。
きっと、あたしの瞳は潤んでしまっているだろう。
王子は、変わらずあたしの目をじっと捕えて、離してくれない。
――やばい、頭も体もおかしくなっていく。
喉の奥が熱いような、乾いているような。
恥ずかしい。でも、もっと触って欲しい。
だめだめ、これじゃ、本当に惚れてまうやろーーーー!!
ん? でも今日だけ、バンド内恋愛、解禁……?
惚れちゃっていいの!?
その大きな手は、髪の毛を滑らすように耳へ、そして、真っ赤になっているだろうあたしの頬に触れてきた。
シトラス系の爽やかな香りに包まれながら、頭と心と体、全てが王子に支配されていくことを感じた。
「王子、なんかやばい……」
「ぷっ、こういうときくらい名前で呼べよ」
そう言って王子は目を細めた。
その言葉、その仕草が、あたしの体を更に熱くさせる。