スターフィッシュ‼︎
気がつくと、王子は後頭部に手を当てながら、少し困った顔をしていた。
「……で? 何だよ」
ゆーたは、次の言葉を待ちきれないらしい。
良夫さんはしたたる汗をタオルで拭きながら、おろおろとしていた。
「王子……?」
あたしも、口元が自由になったため、小声で王子を呼んだ。
すると、
「や、だから……」
とようやく王子は、もごもごと話し始めた。
「その……俺はお前らとずっと一緒だ。だからお前らもどこにもいくなよ!
長谷部さんはまだ確信してなかったようだけど、俺らは絶っ対に光り輝くスターなバンドになるんだからな!」
王子は少し顔を赤くしながら、
あたしたちをしっかりと見据えてそう叫んだ。
急な大声とその言葉に一瞬だけ驚いた後、
「おう! たりめーじゃん!」
「はいっ! 絶対になりましょう、ってかなれます!」
と、ゆーたと良夫さんは、同じく気合いの入った大声で同意した。
「もちろんだよぉ~、王子~!」
あたしは、安心と嬉しさで、胸が熱くなっていた。
STARFISH内で、こんなに王子が本心をさらけ出したのは初めてかも。
やばい、ちょっと泣きそうだ。