初恋
体育館
ボーン ボーン 音が鳴り響く建物 体育館。その入り口の片隅に小さな階段。僕はそこで少し小柄であるがバスケットボール部のマネージャーをしているケイコを待っていた ときどき 他の部活の掛け声が入り交じるが そんな中、ケイコの声は 待っている僕を退屈させないでいた (ケイコ) おまたせ セイちゃん そう 僕の名前はセイジ (セイジ) おう んじゃ 帰るかぁ 午後6時40分 いつもこの時間に二人は 一緒に帰っていた それには二つの理由があった 一つは ケイコと帰り道が同じであること もう一つは ケイコには突発性の 心臓発作が起こることから僕が学校帰りの見守りをしていた ケイコは一人っ子で 小さい頃両親が離婚し お母さんと 二人で暮らしている