【完】優しい彼の温もりに包まれて
丈瑠Side


実頼さん達が出て行って静かになった部屋


忠弘さんは何も言わずに見ているだけだった


ついでに俺も…


迫力があって口出しさえ出来なかったんだ


瑠夏を見ると今にも泣きそうな顔をしていた


「瑠夏…?」


一応、声を掛けてみる


「ごめん…」


さっきから“ごめん”と連呼し続ける瑠夏


俺はそんな瑠夏を抱きしめて頭を撫でることしか出来なかった


「今は泣かせて。泣きたい」


そう呟くと泣き始めた


相当、溜め込んでたんだな…


親の前では一切泣かなかった瑠夏が気が緩んだのか泣いていた


----トントン


「どうぞ」


入って来たのは多川だった


「先生、まだ居たんだ?」


もう帰ったのかと思ってた
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