【完】優しい彼の温もりに包まれて
圭輔が差し出したのはノートだった


コイツ、勉強が出来ないわりにノートを纏めるのは上手いんだよな…


「あぁ、サンキュ。」


それから普通に授業を受けて沙穂を迎えに行く


「お兄ちゃん!!」


俺に気付きトコトコと走ってくる


「丈瑠君、お疲れ様。」


愛美さんから渡されたのは沙穂の荷物


「ありがとうございます」


「今日もお利口にしてたわよ」


愛美さんは毎日のように沙穂の様子を教えてくれる


「さっ、帰るか」


俺は沙穂を抱き上げた


「気をつけて帰ってね」


「先生、バイバイ」


沙穂は小さな手を一生懸命振る


その姿が可愛らしい


それからは自分の部屋でゆっくり過ごした


ベッドに寝転がっていたらそのうち眠りについた


…瑠夏のことを考えながら。
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