新撰組と現代女剣士





死神は涙を流し反応した


時神は目を見開き振り返った




雪は刀を立て、凭れる様にゆっくりと痛みに顔を歪めながら立ち上がろうとする


雪「…くっ……死んじゃいねぇ、し……負けてもねぇ、…っ終わっても、ねぇんだ
よ!!」


雪はふらつきながらも、しっかりと地面に立っている


時「……なっ、てめぇ」




雪「オイ、時神。てめェよか、若僧の方がわかってるじゃねぇか」



雪はそう言って死神にニッと笑って見せる


死神はそれに返す様に涙でぐしゃぐしゃな顔を笑顔に変える



雪「……見せてやるよ、てめェが見下してる人間が、大切なモン護るのためにどれだけの力持ってるか。人間の魂(なか)にある誠が常識覆すさまをな」




雪は時神にそう言い切ると、既に猛突進してきている鬼咬兇に向きあった



鬼咬兇が振った出刃包丁は空を斬った


雪「――」


雪は出刃包丁の平地に飛び乗っていた


そして雪は刀を振るった






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