鋼鉄の国のアリス
笑った後、反応を示さなくなった腕の中の彼に不安を覚え、アリスは駆ける。

足を着いた場所がメコリと陥没する。

もともと10キロを超える軽機関銃を背負っている上に人を一人抱えている状態。

そしてアリスは人間よりも重い。

今まで耐えていたアスファルトは力を入れた足の前にあえなく敗れ去った。

平らな道路と引き換えに少女のスピードは上がった。

それは走るとは程遠く、跳ぶに近い。

一歩で数メートルの距離を移動する彼女は一度も何かとぶつかることはなかった。

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