だからこそ、キミは。



佑くんは元々お父さんがいない、母子家庭で。

普段、佑くんのお母さんを見ることはあまりなかったけれど、たまに会えば疲れた顔をした人だった気がする。



それでも、幼い時に佑くんと遊んであげてる佑くんのお母さんを見ると、いつだって目尻を下げて笑っていて。


この人は佑くんを大切に思ってるんだろうな、って。

私は幼いながらに思っていた。



それくらい、佑くんを見る佑くんのお母さんの目は、普段の疲れた顔からは想像できないぐらい、幸せそうだったの。


本当に“子供を愛しく思う母親の目”だった。



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