だからこそ、キミは。



『いったぁ…。』



思わず顔をしかめ、衝撃が走ったところを手でさする。


片腕上げながら顔を上げた瞬間、目に飛び込んできたのは奴だった。




「…俺の授業でボーっとするとは、良い度胸だな。」

『……。』




……先生。



先生が、教科書を持ちながら、腕を組んで私を見下ろしている。



私は瞬間的に上を向いたのを後悔し、静かに視線を下に向けた。



…不意打ちで近くに来られると、困る。




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