だからこそ、キミは。



気まずさを避けるように周りを見れば、さっきはわからなかったけど、私以外にもたくさん寝てる人はいる。


むしろ、寝てる人がクラスの3分の2だ。

起きてるだけ、私はマシだと思う。




『なんで私だけ…。』



ぼそりと呟いたら、地獄耳な先生の耳には、しっかり届いてたみたいで。


絡まった視線は、怪訝そうに目を細めてる。




『…なんでも、ないです。』




むかつくけど。

私だけっていうのは、腑に落ちないけど。



それでも、先生があえて私にだけ注意した理由は、なんとなく感じとっていた。




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