だからこそ、キミは。



慌てて、辺りをキョロキョロ見渡した。



……大丈夫。みんな、自身のことに集中してる。

私のことなんか、眼中にないみたい。




『……♪』




気分はほっこり、清々しかった。

授業中、ちょっとした危険を犯してまで優しくしてくれた先生に、体からはお花が出てしまうんじゃないかってほど。




―…だから、気がつかなかったの。




「……。」




あの人に、その姿を見られていたことに。



彼に見られたことを私は知らず、先生のこの授業の時間、私は浮き足立っていた。






























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