辻斬り
目の前をふさぐものがいるなら、邪魔にならぬうちに皆消してしまえばいい。
白い霧の中にうやむやに隠してしまえ!

そんな声が、意思が聞こえてくるように森がざわめく。

「須貝、どこだ? どこだあ?」

戎徒は傷にうめきながら再び深くなる霧に身を隠す。
赤田が妄信的に周囲をうかがう間に、這いながらその場を逃げ出した。
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