辻斬り
あ~あ~、また始まった。
こんな口論から小競り合い、取っ組み合いを始めて、ぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあ…とせまい車内でののしりあいだ。

この道中これで6度目。

灘はもう戯言に耳を貸すまいとふて寝のふりをした。

「さっきあのジジイさ。あたしの買い物袋見ててさ。書いてんじゃん、ほら、丸井の「○I○I」。あれをあのジジイ「おいおい」とか読んでんの。ぶっちゃけありえないよ!」
「何時代の人間だよ! だっははははは――――!」



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