辻斬り
「これは――」
現れたのは、女性の死体だった。
それも、殺されてまだそれほど時間の経っていないものだ。
手首は木にくくりつけられ満足に身動きの取れぬ状態にされていた。
目は生気を失い、頬からはうっすら血がただれていた。
首を絞めた跡もあるが、おそらくこれはフェイク。
腹にはいくつかの刺し傷、それは真っ赤に染まったブラウスより伺える大量の失血で見て取れた。
――直接の死因はおそらくそれだろう。
鴻上は冷静に分析した。
あゆみは異様に怯えていた。
まるでそれが誰か知っているかのように。
現れたのは、女性の死体だった。
それも、殺されてまだそれほど時間の経っていないものだ。
手首は木にくくりつけられ満足に身動きの取れぬ状態にされていた。
目は生気を失い、頬からはうっすら血がただれていた。
首を絞めた跡もあるが、おそらくこれはフェイク。
腹にはいくつかの刺し傷、それは真っ赤に染まったブラウスより伺える大量の失血で見て取れた。
――直接の死因はおそらくそれだろう。
鴻上は冷静に分析した。
あゆみは異様に怯えていた。
まるでそれが誰か知っているかのように。