辻斬り
村の入り口と、森へ向かう小道との分岐点に腰を下ろしていた。いや、腰を抜かしていたという方が正解かもしれない。

「――何を見たんだ? 蛇か? ムカデか? アカハラか?」

あゆみは声を上ずらせながら「あれ、あれ……」と指を指すしかできなかった。
鴻上はあゆみの指差す先を懐中電灯で照らした。

懐中電灯の光は、ゆっくりとその異形を映し出した。
< 60 / 245 >

この作品をシェア

pagetop