霊感少女はお姫様!?
「聞いてませんって!ってか、この花とか仁さんが?」
そう聞くと仁さんは笑った。
「ちげーよ。妹が置いたの。沙良って言うんだけどね」
優しい妹さんだな。
でも・・・
「でも、妹さんて○○と関係あ・・・」
そう言いかけると仁さんが思いだしたように言った。
「そーだそーだ!ここに妹いなかった?星翔の制服着てたんだけど」
仁さんはかなりあせっていた。
星翔の制服ってコトは・・・
もしかして・・・
「もしかして、その妹さん黒髪ストレートですか?」
「そうそう!その子だ。どこで見た?」
そうか・・・あの時ぶつかってきた
あの子だったのか
「それならさっき、階段走って下りていきましたよ。」
俺は階段を指さした
「ありがとうな!あと・・・それから・・・」
そう言ったとたん
分からない。分からないんだけれど・・・
空気が凍りついたんだ・・・
それは、きっと“仁さん”の
冷たい瞳のせいだ・・・
そして、冷たい瞳の“持ち主”はこう言った。
「俺の妹・・・小都美 沙良には近づかないでくれ。」
たしかに・・・そう言った。
「へ?なんで・・・」
俺が言葉を言い終わらないうちに仁さんは低い声で言う。
「お前に・・・渡すわけには行かないんだ・・・“快人”が・・・。とにかく、近づくな。じゃ、入学式遅れんなよ。」
冷たい笑顔で手を振り、走っていく仁さんの背中を俺は見ていた。
変わってしまった。あの頃の仁さんじゃない。
いつもあったかい瞳で笑っていたあの頃の仁さんじゃない。
そして・・・さっき仁さんが言ってた“コトバ”・・・
なんで?なんで・・・○○なんだよ?