添い寝執事


冷静になるってみると……

しょぼーんと落ち込む虎太郎に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。


……ゴメン、虎太郎。



そんなことを思いながら、しぶしぶ布団から出る。

罪滅ぼしもかねて……ね。



「ゴメンね? 虎太郎。仕方ないから行ってくるわ」



「え? あぁ、そのままで平気ですよ。5分ほど前に、出かけられましたから」



にこっと天使のような可愛らしい微笑み。


その笑顔に、あたしは一時停止する。



"5分ほど前、出かけた"



……うちの両親は本当、適当だ。

間が悪い。

あたしがその気になるときには、もういないんだから。



ま、いいか。

面倒なことなくなったし、寝れる~♪


そう寝返りを打つと、ズキンと頭が痛んだ。




「……っ!!」






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