本当にセカイを敵に回した奴
もうもうと立ち込めていた煙の晴れた部屋を見渡せば、無傷な天井の代わりに超巨大なモグラでも現れたみたいな穴がぽっかりと床に空いていた。しかし当然、それは巨大モグラによるものではない。
では何か? そりゃ勿論、穴の横に転がってるでっかいカプセルさんの仕業でしょ。
そう、まるでサイヤ人でも入っていそうな科学的なカプセルが地面から飛び出したのだ。
こりゃ本格的にえらいもんが現れちまったな……。
とりあえず死なずに済んだことに安堵しつつ、しかし不安を拭いきれないまま真ん丸い金属の塊に奇異の眼差しを向ける。
はてさて何が中に入っているのか気になり始めた俺が自ら近寄り確認しようとしたとき、ウイ~ン的な機械音とともにゆっくりとカプセルが口を開け始めた。
なんか白い煙が洩れてたりして、如何わしい雰囲気を醸し出している。
地上侵略を開始した地底人でないことを祈りつつ、そろーっと中を覗くと――


「バカ! 見るなあっ!」
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