Love.Love.Loving!
そう結論を出したあたしは、心の中でバカとかアホとか変態とかエロエロイケオヤジとか。
ぶつぶつ、希唯君にいっぱい思いつく限りの悪態をつきながら、たぶんりんごよりも真っ赤な顔を両手のひらで覆った。
あたしがおとなしくなったのを見て希唯君は「ええー、暴れてもよかったのにぃ」なんて、少し不満げな声。
う、うるさいもん!バカぁ!!
――って、言えたらいいんだけどなぁ。
残念なことにそんなこと言える度胸も勇気も1ミクロも持ってないあたしは、担がれたままめそめそ泣くだけだった。
言ったらパンツガン見されちゃうもん…。
本気か冗談かわからないけど、不満げに言われたセリフになにも噛みつかないあたしに対して希唯君も「…、」暫し無言。
ひくひく、あたしのしゃくる声だけが静かな廊下に響く。
その間も相変わらず身体が熱くて、気持ちが悪いのも健在中で。いい加減、早く楽になりたいっていうのが本音。
と。
「辛かったら寝てもいいよ」
黙っていた希唯君のさっきまでとは打って変わった優しい声、セリフ。
ぽんぽんって身体を支えてる手とは逆の手も優しく背中であやしてくれて。
よいしょ、なんて声が聞こえたかと思ったら、希唯君の肩に乗っていたあたしの身体は一瞬、ふわりと浮いた。
『…、…うへ?』
頭が上手く回らないあたしはいったいなにが起こったのか理解できなくて。
顔を覆っていた手を離せば、一番に目に飛び込んできたのは眉を八の字に下げる希唯君の綺麗な顔。