Love.Love.Loving!
ふえ…って泣き出す5秒前のあたしなのに希唯君は「そ、だなー」なーんて、ワクワク楽しそうに考え出す。
絶対、希唯君は後者の方を選んでくる。そんな予感がしてたまらない。
そ、だなーとか言いながら、希唯君の考える時間はかなり短かった。決断力が豊富なことで。
決めた!と上がった声にビクッと上がる肩。希唯君を見上げることは希唯君が考えている間にやめていた。
希唯君、背、無駄に高いし。首痛くなっちゃうし。それに、見上げてたらチュウされやすいじゃん。
なんて思って俯いたけど、あ、チュウすんのはあたしからだったって、忘れていたあたし。バカ。ぜーったいしないからいいけどさ。
「やっぱ希唯って言って?香彩」
…………え!?
嘘でしょ。思わず口から出そうになった。希唯君なら、絶対チュウしてって言うと思ったのに。
呼び捨てして解放されるなら――…うん。恥ずかしいとか言ってられない。次の授業は英語だし。宮(みや)先生怖いからなー。遅刻しないために頑張る!
おしっ。言っちゃえ香彩!と気合い十分。俯けていた顔を希唯君のブラウンの瞳とかち合うまで上げたあたし。