高熱にベッド<短&番外>
『もう…!永樹さん…!しっかり歩いて下さい!!』
「あれーなんで那子がいんのー?」
早速、やってしまった。
ほら、あれだよ。
馬の耳に念仏
だっけ。
あ、違うか。何言ってんだ俺。
頭がガンガンして、今にも倒れそうなくらい重たくて。
『那子ちゃん大丈夫?俺がベッドまで運ぼうか?』
「大丈夫です…!わざわざありがとうございました…」
頭上で那子の声と真人(マコト)の声がする。
分かった。サークルの集まりで飲んじゃったんだっけ。
それで俺酔っ払っちゃって…。
で、真人が家まで送ってくれたって事かぁ。
『那子ちゃん。なんかあったら呼びなよ?』
『ありがとうございます…!それでは真人さんも気をつけて…!』
俺は多分那子に支えられてるのかな?
玄関が閉まる音が聞こえて、真人が帰ったのが分かった。
『永樹さん…!ベッドまで行きますよ…!』
「えへへ、那ぁ子」
肩を担いでくれてるから、顔の直ぐ近くには那子の白い首筋があって。
『…ひゃあ…!』
そこに唇をつけると、那子の体がガクンと下がって、いつの間にか辿り着いていたベッドに2人して飛び込んでしまった。